<政治>一票の格差はどこまで認められるか<衆議院・参議院>

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一票の格差とその問題

国政選挙が終わると必ず話題になり、その後、裁判になるのが「一票の格差」です

 

 

一票の格差とは…

選挙区(地域)によって議員を選ぶ投票権の価値が違うこと

 

国会議員を選出するにあたり、18歳以上の国民による選挙が行われます

 

具体的には、衆議院・参議院共に小選挙区制と比例代表制の2票を投じます。うち小選挙区においては、各選挙区から1名選出されます

 

一票の格差の例を、2017年10月に行われた衆院選からとると

・東京13区では、有権者が47万4326人の中から1名の衆議院議員を選ぶのに対し

・鳥取1区では、有権者が23万9104人の中から1名の衆議院議員を選びました

つまり、鳥取1区の1票の価値は…

 

(計算式)

東京13区有権者数(47万4326人)÷ 鳥取1区有権者数(23万9104人)= 1.983764…

2017年の衆議院選挙では、鳥取1区の1人の有権者の価値は、東京13区の有権者の1.98人分の価値があることになります

鳥取1区の1人=東京13区の約2人が同じ価値
このことを一票の格差といいます

 

 

一票の格差の問題

では、なぜ一票の格差は問題になるのでしょうか?
それは…
憲法で守られているはずの
「法の下の平等」が保たれていない恐れ
があるためです

 

具体的には、日本国憲法 14条1項に規定されている

すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」

 

つまり、「国家が国民の義務や権利に関して、一人一人を平等に扱う」という理念で、基本的人権を構成する要素の一つです

 

国(立法府である国会)も一票の格差に関して、何もしてこなかった訳ではありません

選挙区の枠組みの変更を通じ、「x増●減」といった選挙区の増減を通して都市圏への人口流入、過疎化への対応をしてきました。それにより一票の格差は縮まりましたが、なくなることはありません

 

では、何倍までが認められている一票の格差なのでしょうか?一票の格差ののしきい値について、裁判所の判断を調べて見ます

 

今までの一票の格差と認められる格差の範囲

<認められている一票の格差>
衆議院では2倍未満、参議院では3倍ぐらい
までが、今のところ、最高裁判所で合憲になっています

ここ近年、衆議院では2倍を越えると「違憲状態」と最高裁判所が判断するようになっています。2倍未満なら一票の格差で認められる状態です

 

上の表からわかるのは、いわゆる上院的な性格をもつ参議院は3倍程度で合憲判断。国民の意思を反映することが要求される下院的性格をもつ衆議院は2倍を切らないと合憲判断は出なさそうです

 

<参考:国立国会図書館 衆議院及び参議院における一票の格差調査と情報―ISSUE BRIEF― NUMBER 953>

http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_10317577_po_0953.pdf?contentNo=1

<参考:「一人一票」の裁判を提起している升永英俊弁護士のホームページ>

http://blg.hmasunaga.com/

<参考:上告理由書:ボリュームがありますが、経緯や問題点がまとまっています>

http://blg.hmasunaga.com/hmadmeqdd/wp-content/uploads/2016/12/20161214001.pdf

 

諸外国の一票の格差

参議院・上院では、数倍から大きくて数十倍の格差があります。これはその地域の代表としての性格があるからでしょう

 

一方、衆議院に相当する下院では、結構厳格になっています。指標とすべき各国では一票の格差は2倍未満が多く、日本も徐々に近づいているように思われます

・アメリカ:約1.88倍

・ドイツ:約1.47倍

・イギリス:1.11倍まで

(2018年10月より適用、参考2015年総選挙:約5倍)

・フランス:約2.37倍

 

<参考:諸外国における選挙区割りの見直し>

http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8179798_po_0782.pdf?contentNo=1

 

終わりに

一票の格差に興味がありましたので、調べて散々書いてきましたが、個人的には、一票の価値を厳格に平等にすることが正しいのか疑問があります

今回は、地域間(選挙区間)における、一票の価値についてまとめました

しかし、今、そしてこれから想定される日本の問題は、地域より歪な年齢分布が起因していると思うからです

様々な問題が昭和の終わりから、取り繕うだけで問題の根本が先送りになっていた状況で、多数派の高齢層と少数派の若年層の状態は、問題をできるだけ先送りしていく意思を感じられるからです

「多数派によって決めてしまうこと」と「国の持続可能な将来の形を決めること」がイコールになっていない時、多数決による歪みを補完する仕組みが必要なのではないでしょうか?

 

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